夜の経済活動 カギは「ナイトカルチャーの健全な発展」

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日テレNEWS24

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「夜の経済活動で日本が潤う?」。あらゆるカルチャー情報を扱うニュースサイト“CINRA.NET”の柏井万作編集長に話を聞く。
日本に来た外国人観光客への消費行動を促そうと、“夜の経済活動=ナイトタイムエコノミー”の活用が議論されている。自民党には、ナイトタイムエコノミー議連が発足しているほか、経済団体“新経済連盟”も、観光立国推進のために“ナイトタイムエコノミー”の活用を提言している。
この提言によると、具体例として博物館や美術館の夜間営業、ナイトクラブの立地規制の緩和を挙げている。日本の観光活性化策は、「昼間にどこを観光してもらうか」という視点が中心で、外国人観光客からは、夕方から夜のナイトタイムに楽しむ場所が少ないことへの不満もあるということだ。
――柏井さんに、この話題についてのご意見をお願いします。
「時代が変わってきた」。CINRA.NETも10年くらい、渋谷で毎月、音楽のライブイベントとかをやっているんですけれども、やっぱりどんどん海外の方が増えてきたなという実感があるんですね。
そういった方々のお話を伺ってみると、確かに「日本は夜に音楽を楽しむ場所が少ない」とおっしゃっていました。海外を見てみると、みんなで深夜にダンスをして朝まで楽しむという文化があり、そういう場所が世界中にあるわけですが、「それがどうして日本にはないの?」というお話をされるんです。
元々の課題として、けっこう日本は法規制が厳しく、なかなかクラブというものが運営しづらいという状況があったんですけれども、今それが風営法の改正とかがあったりして、これから状況が変わってくるのかなと思っています。
一方で、ダンスの話でいうと面白いのが、いま中学校でダンスが義務教育化されたんですよね。それで、若い子たちが踊って楽しむということが、割と文化として定着してきている。
なので、訪日外国人の方々がたくさんいらっしゃって、若い子たちもダンスを楽しむようになってきて、法律の改正もあったりして、これから夜にダンスを楽しむ文化が、ニーズとしてもビジネスチャンスとしてもかなり広がってくるのかなと思っています。そういうところで、健全なナイトカルチャーが生まれていくといいのかなと期待はしています。
――法改正が行われたということで、まさにこれからのことですよね。
そうですね。これからそういう夜中のイベントとかが少しずつ増えてくるのかなと思います。外国人の方にも楽しんでいただけるイベントが増えるんじゃないかと思います。
――“健全に文化として発展すること”が大切ということですね。
そうですね。夜中の営業で色々な問題が指摘されたりすると思うんですけども、そういったところはちゃんと対応して、健全に運営されていく必要があるのかなと思います。
■柏井万作氏プロフィール
カルチャーニュースサイト“CINRA.NET”の編集長。“CINRA.NET”は、音楽やアート・デザイン、映画、演劇、書籍など、あらゆるカルチャー情報を扱っている。“カルチャー”が持つ力を、様々な社会や企業の課題解決に持ち込み、より豊かな社会を作り出すことを目指している。