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※ 視聴回数は1日1回更新されます。いちごの新たな生産と販売に取り組む岩佐大輝さん。その岩佐さんが作り出した「ミガキイチゴ」。最先端のIT技術を使って生産する取り組みを取材した。
震災をきっかけに生まれた最先端にいちごがある。高いもので1粒1000円する宮城・山元町の高級いちごブランド「ミガキイチゴ」。
高品質ないちごを生みだしているのが農園に設置された“箱”だ。中にはセンサーが搭載されていて温度や湿度はもちろん、CO2濃度や風向きなども測定。IT技術を駆使しいちごの栽培環境を自動管理している。
地元出身で農園の代表を務める岩佐さんはもともと東京のIT企業を経営していたが震災発生直後に地元に帰りボランティア活動に励んだ。
しかし、地元住民からの一言で故郷の現状に気づかされたという。
岩佐さん「君は経営者なんだから、泥かきやボランティア活動もいいけど雇用をつくるような活動をしてくれと強く言われた」
震災前から宮城・山元町は特に生産年齢人口が減少し、一人当たりの平均所得も県内で低い水準となっている。
岩佐さん「よく復興といわれるが、震災前の状況に戻してもしょうがないわけです」
そこで震災で壊滅状態になってしまった地元の名産品であるいちごの生産をすることを決意。35年続けてきたいちご農家とも協力し味・大きさ・形が最適になるデータをとことん収集した。
熟練した生産技術を身につけるには15年かかるといわれるいちご栽培だが、データに基づいたシステムを構築したことで3年目には質の高いいちごの栽培に成功した。現在では従業員約70人にもなる大規模ないちご農園へと成長している。
岩佐さん「震災前に戻すということからは卒業して、このいちご産業を山元町でつくってグローバルレベルで通用する産業に育てる」