受動喫煙対策「当たり前に正しいことを」

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日テレNEWS24

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「たばこ吸ったら45分間エレベーター利用禁止」。“Needs-One Co.,Ltd.”の牧浦土雅氏に意見を聞く。
奈良県生駒市が4月から、「たばこを吸ったら45分間、市役所のエレベーターに乗ることを禁止」とする受動喫煙対策を始めた。
生駒市役所では、去年10月1日から喫煙スペースでたばこを吸うことができる時間を限定しているが、今回、新たな取り組みとして、こうした対策を始めたということだ。ネット上では賛否両論が起きている。
「素晴らしい!」
「やり過ぎだ!」
「ヤニハラという言葉が誕生するかも」
――牧浦さんに、この話題についてご意見をフリップに書いていただきました。お願いします。
「当たり前に正しいことをやる」。この生駒市の事例は、至極当然だと思っています。そもそも受動喫煙は、それだけで年間1万5000人が心筋梗塞や肺がんで亡くなっているという厚労省のデータがあります。
にもかかわらず、国は今まで抜本的な対策を講じていないんです。だったら、まずは自治体だけで頑張ってこういう対策を講じていこうということなので、こういう施策は当たり前だし、他の自治体も続いてほしいなと思います。
――今回の国の法案だと、けっこう範囲が広がってしまいましたよね。
いま厚労部会を通って承認されている案としては、飲食店に限って言えば、面積が小さい中小飲食店は屋内でも喫煙ができるというルールになっています。
東京都だけでいうと、この面積で例外とされている7~8割の飲食店が、結局はこの対策が講じられたとしても飲食店内で喫煙できてしまう。
一応、前進はしているといえばしているんですけれども、受動喫煙対策に関していえば、どちらかというと後退しているという言い方が正しいのかなというくらい、国は何もやっていないというのが現実ですね。
――一方で、国民の8割がたばこを吸わないという数字もありますよね。
なぜ受動喫煙対策をここまでストップしているかというと、例えば、飲食店の売り上げが下がるんじゃないかという懸念があります。今まで、たばこを吸いながらご飯を食べたいと思って飲食店に来ていた人たちが、吸えなくなるとしたら来なくなるから、売り上げが減るんじゃないかと言われています。
しかし、これはWHOも結論付けていることですが、新たなお客さんが取り込めるんですね。ファミリー層など、今まで喫煙者がいたから飲食店に行かなかった人たちを取り込めるので、売り上げが変わらない。むしろ上がるんじゃないかというデータのほうが多いくらいです。
こういう(飲食店の売り上げが下がる)データは間違っているので、受動喫煙対策は抜本的な対策が必要だと思っています。
――今回の生駒市のように、トップがやらないんだったら下から押し上げていこうというのは、すごく良いことですね。
生駒市だけじゃなくて、調布市や千葉市、もしくは東京都も今後、変わっていくかもしれないので、皮肉ですけども、国がやらないなら自治体がやろうということで、頑張ってほしいなと思います。
――期待したいですね。
■牧浦土雅氏プロフィル
オンライン教育サービスの世界展開に取り組む。17歳の時、ルワンダで国際協力機関と農民をつなげるプロジェクトをスタートしたのをきっかけに、様々な事業を立ち上げた。現在は海外で生活しながら、日本でも多くのプロジェクトに関わっている。