「味の予測不能」老舗酒造が挑む製法とは?

視聴回数209,965

※ 視聴回数は1日1回更新されます。
(c) Nippon News Network(NNN)

日テレNEWS24

栃木県にある仙禽(せんきん)では、ここでしか造れない日本酒を造りたいと、酒造りを見直したそうです。
薄井さん「どちらかというと機械工業品的な日本酒の生産を行っていましたので、造り方そのものを抜本的に見直した」
仙禽の蔵でしか造ることができない酒。そのために取り入れたのは、生もと造りと呼ばれる、伝統的な酒造りの手法でした。酒蔵には、目には見えませんが空気中に酵母がたくさん浮遊しています。
「蔵付き酵母」とよばれる酒造りに欠かせないこの酵母は、長い年月をかけて育っていく、いわば“酒蔵の宝”。「生もと造り」では、人工の酵母は使わず、「蔵付き酵母」が原料に入り込むのを待つのです。
薄井さん「蔵付きの酵母菌に頼ると予測不能」
酵母が育ちやすいよう、使われるのは木桶。木桶は、ホーロータンクとは違い温度管理は難しいのですが、酒蔵がそれを補います。酒蔵は天候に左右されることなく、温度を一定に保つ機能を備えているのです。酒蔵が持つ力に任せた生もと造りは、酒ができあがるまでには、時間も手間もかかりますが、その蔵の味が造れると、仙禽ではこだわっています。
薄井さん「その蔵オリジンのね、酵母菌で造ればその蔵の味にしかなりませんから、そういう意味で模倣することは絶対にできないし、大事な伝統産業の一つだと思っています」