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※ 視聴回数は1日1回更新されます。世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「日本って起業しにくい国?」。中古車の売買などを行う「ガリバー」を運営する「イドム」の執行役員・北島昇氏に話を聞いた。
世界銀行が、約190の国と地域を対象にビジネスのしやすさを示した「ビジネス環境ランキング2018年版」によると、1位はニュージーランド、2位はシンガポール、日本は34位だった。特に「起業のしやすさ」の分野が106位と大きく出遅れた。ネット上ではこんな意見が見られた。
「いや、日本はもっと低いはず!」
「起業への改革は進んでいない」
「そもそも起業への興味がない」
――北島さんに、この話題についてのご意見を書いていただきました。
「自分が何者なのか?」。私も実は、起業経験が10年前にありまして。そういう意味では起業のしやすさ、環境、制度というものがありがたいなというのは身に染みてわかります。
ただ、実際もっと大事なのは起業の前後の環境じゃないかなと思っています。起業の後では事業を立ち上げて、組織を大きくしていくために必要な環境…これは官民両方、色々な手が打てると思うのですが、そういう環境整備というのは大きいと思います。
もっといえば、最近では、少しは進んできたかなと思うのですが、例えば、起業して失敗してもまた次のチャンスがある、次のキャリアがある。こういったものも大事かなと思います。
私は今、人事もあずかっているのでよく聞くのですが、最近では色々な企業で、実際に自分でスタートアップやベンチャーをやって、失敗した経験こそを逆に評価する。昔に比べるとだいぶキャリアが増えてきていると思います。
これも起業後の環境という意味で、もっと良くなっていったらいいなとは思います。
――失敗を失敗として受け止めるのではなく、失敗をポジティブにいかすという方向に。
そうですね。大きな失敗をしているということは、その失敗はもうしないだろうということなので、大きな評価かなと思います。ただ、起業後よりも、もっと大事なのは起業前だと思っています。
「なぜ自分が起業するのか?」「自分がいったい何者なのか?」「チームは何者なのか?」と、ここはやはりすごく大事です。そういった部分で、環境という意味では、教育の機関であるとか、起業の前にそういう形で「自分が何者なのか?」を問われる環境がもっとできるといいんじゃないかなと思います。
――自分の意志の強さということですね。
すべてのイノベーションは意志から始まっているので。勉強ではなくて意志ですね。