競走馬を殺処分から救え ある調教師の思い

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日テレNEWS24

競馬の世界で活躍する競走馬。華やかな世界の裏で、実は多くの馬が殺処分されているという現実がある。殺処分される馬を1頭でも助けようと、調教師が行っているプロジェクトとは。
競走馬の世界では、毎年約7000頭の子馬が誕生している。競走馬として活躍した後、繁殖用の馬などになるのはごく一部。その他の引退した馬や、競走馬にならなかった馬の多くは殺処分されてしまうという。
競走馬はレースに勝つための特殊なトレーニングによって、闘争心を植え付けられている。そのため、慣れていない人には扱いにくく、引退後、一般人の乗馬などに対応するには、また別のトレーニングが必要になる。
このトレーニングに最低でも半年はかかるのに加えて、1頭の維持や調教費用は、1か月当たり20万円以上。これだけの費用がかかることも殺処分が多くなる要因となっている。
この現状を変えようと動き始めたのが、JRAの角居調教師だ。角居さんはこう語る。
「競走馬の行く末を考えたときに、かわいそうな運命の馬もいる。言葉にできないですけど、そういうことを感じとっていた時期が長くあって」
胸にしまっていた思いを形にするべく、数年をかけて競走馬のセカンドキャリアの仕組みを作った。馬の維持費や再調教費は、ふるさと納税や寄付金などでまかない、岡山にある乗馬場で再調教する。その後、訓練をうけた馬は、乗馬場や学校などでセカンドライフを送る。
これまでに救われた引退馬は57頭。少しずつではあるが、多くの引退馬が活躍できる場所や資金を確保する取り組みをこれからも続けていくということだ。