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※ 視聴回数は1日1回更新されます。日本の“ものづくり”の技術を支える町工場の魅力を伝えようと、工場の音と映像をテクノ音楽と融合させ、ミュージックビデオにするプロジェクトがある。なぜ、こうした作品が作られたのだろうか?
芸術作品のように丸められていく金属。これはボールペンなどに使われているバネだ。ネジをはめ込む部品が作る“インサート”と呼ばれる瞬間をとらえた映像もある。
実は、これらの映像は、町工場の技術力に関心を持ってもらおうと製作されたミュージックビデオだ。実際の工場での製造工程と音を収録し、そこにテクノ音楽を融合。“いままでの印象とは全く違った町工場の印象を与えてくれたデザイン”として、2017年度グッドデザイン賞金賞を受賞した。サウンドディレクターの木村さんはこう語る。
「くり返しの工場の工程が、テクノ音楽のくり返しの快感に近い。それでコンテンツ化を思いついた」
ミュージックビデオを制作したのは、デザイナーやコピーライター、DJなどの様々な人材が集まったクリエーター集団だ。現場で行われた丁寧な収録や録音作業。木村さんはこの作業についてこう話してくれた。
「それぞれの工場によって特徴的な画も特徴的な音もある。そこを探し出す作業」
ただミュージックビデオを製作しているだけではなく、町工場へのインタビューもホームページで公開し、その技術力の高さも紹介している。このプロジェクトの意義を、木村さんはこう教えてくれた。
「知識として工場を知るのではなく、体感的に工場の技術を知ってもらう。体感してかっこいいとか面白いと思ったら、『この工場、何だろう』と知りたくなる。そのきっかけになればいい」