「トイレ勝手に譲るな」議論成熟の時代へ

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日テレNEWS24

 世の中で議論を呼んでいる話題について意見を聞く「opinions」。今回の話題は「トイレの空き待ち、子供は優先!?」日本テレビの報道番組「Oha!4 NEWS LIVE」の大野伸プロデューサーに聞いた。
 あるツイートをきっかけに、ネット上で賛否両論の議論が起きている。その内容は「公共トイレの長い行列に、泣きそうな小さな子どもと母親が来た。それを見た先頭の私が、「お先にどうぞ」と譲ったら、後ろの人が『勝手に譲るな!』と怒った」というもの。
 ネット上の議論を見ると「ステキだし、かっこいいと思う」「こんなのステキでも美談でもない」「どちらが悪いということではない」などという様々な意見が聞かれた。先頭の人は譲った後、最後尾に並び直したという。
――大野さんの意見は。
 「サイバー空間を成熟した公共圏へ」とさせていただきました。
――どういうことでしょうか。
 このネットの議論もそうなんですけど、やっぱり世間の価値観というのは非常に様々です。中には合意形成を簡単にできないことというのも少なくないと思うんです。
 ただ今回のインターネットの件は、やっぱりいろんな意見が多角的に出てきたというのが、変化した点だと思うんです。これまでのインターネットというと、どうしても一方的だったり、誹謗(ひぼう)中傷だったりと、そういう印象が強かったのが、だんだん成熟してきたんじゃないかと注目しています。
 また「公共圏」という言葉を使いましたが、これは政治学の用語なんですが「共通する関心事について話す空間」という意味なんです。このようにインターネット、サイバー空間というのが、新しい議論をする場になってきてるんじゃないかと思っています。
 今、国では、税制や予算といった来年度の暮らしに関わる大事なことについて議論をしていますけれども、我々はただ不満を言ったりするだけではなくて、サイバー空間という新しい公共圏で、たくさん意見を発信したり、意見交換をしたりすることで、世の中はきっと変わっていくだろうと、そういう期待をもって私は見ています。