HIV、医療は進歩しても偏見は変わらず

視聴回数175,199

※ 視聴回数は1日1回更新されます。
(c) Nippon News Network(NNN)

日テレNEWS24

 12月1日は「世界エイズデー」。世界規模でのエイズ蔓延の防止、エイズ患者やHIV感染者に対する差別・偏見の解消を目的として定められた国際記念日。HIV感染者であることを公表した男性を取材した。
 高久陽介さん41歳(HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス代表理事)。HIV感染が判明したのは2001年のことだった。
 高久さん「自分を責めるであるとか、人との交流を避けたり、恋愛とかセックスを今後してはいけないと思った」
 HIVとは、体の免疫力を低下させるウイルス、放置すると免疫低下による合併症“エイズ”を発症する。
 高久さん「いろんな不安はあったけど、“死に向かう”とか、かつてのイメージがあるが、そういう病気でないと、すぐ気づけた」
 感染当時、身近なHIV陽性者から正しい知識を学ぶことで救われたという。高久さんは2002年から感染を公表し、当事者団体JaNP+(ジャンププラス)に参加。HIVの調査、講演活動などを行っている。
 現在HIVは適切な治療を行えば、日常生活を送ることが可能。投薬でウイルスを抑えると、人への感染も防げるようになっている。しかし―
 高久さん「治療法が確立したことで、世の中が騒がなくなった。(危険という)イメージが変わっていない気がする」
 医療が進歩する一方で、HIVに対する差別、偏見は根強い。HIV陽性者への調査でも「HIV陽性であると打ち明けるのは危険」と答えた割合は81.5%。「一般の人はHIVを知ると拒絶する」という割合も85.7%と高いままだった。
 こうした社会で当事者として、カミングアウトする意味とは―
 高久さん「当事者のカミングアウトは勧められないけど、当事者が可視化されないと色んな問題もないことになってしまったりとか、社会の理解も変わらなかったりするので、そこはジレンマがありますね」