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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 文筆家の古谷経衡氏。古谷氏は、社会、政治、サブカルチャーなど幅広い分野に対し、独自の切り口で評論活動を行っている。著書『左翼も右翼もウソばかり』はベストセラーとなったほか『「意識高い系」の研究』では、現代の若者の心理や行動を鋭く描いている。
――意識高い系の若者ってどんな若者ですか。
最近増えてるんですよ。端的に言っちゃえば「意識高い系の若者」っていうと、自分の実力がありますよね、それよりももっと自分は上だと、要するに「自意識過剰」なんですね。実力を100とすると、自分の実力を2000ぐらいと思っているわけ。そういうところで、俺は、私はすごいんだっていうことを勝手に考えて、アピールしている人のことを言います。
――どこでアピールするんでしょうか。
それはSNSですよ。フェイスブック、インスタグラムが多い。特にフェイスブックなんか多いですね。「私はこんな社長と一緒に会食にきてます」とかね、ただの参加者なのに、いかにも自分に人脈があるとかね。
あるいは「こんな高いホテルに泊まっています」とかね、ただ泊まっているだけなのに。そういう自分というのがいかにすごくて、いかにおしゃれで、いかに高尚な存在かということを、人に言いたくて言いたくて仕方がない子は、若い子には増えてますよ。
――そうなんですか。意識を高く持つということは、悪いことじゃないようにも思うんですが…
ようするに“系”だから、もどきみたいな感じなんですね。意識高い人は良いじゃないですか。ところが意識高い系になっちゃうと、本当の実力と齟齬(そご)がありますから、だからいろんなところで、人間関係が問題になりますよね。
だから上司に何か言われても、「私そういうことやる人間じゃないですから」とか言って、現実とは違って、すぐ辞めちゃうとかね。意識高い系新入社員とか言いますけど。
――それが今の若者のリアルなんですね。
まあ“一部”のなんですがね。