「クリぼっちでもさみしくない」背景とは?

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 世の中で議論を呼んでいる話題について意見を聞く「opinions」。今回の話題は「“クリぼっち”さみしくない?」。社会学者・古市憲寿氏に聞いた。
 ある不動産業者が、一人暮らしをしている社会人の男女600人を調査したところ、今年のクリスマスをひとりぼっちで過ごす“クリぼっち”の予定の人は65%。しかし“クリぼっち”について、約7割が「さみしくない」と答えた。
 ネット上では「クリスマスも仕事なのは、毎度のこと」「1人じゃないと、偽装する方がむなしい」という声の一方、「街がにぎやかな分、さみしい時もある」という意見もあった。
――古市さんにこの話題について意見をフリップに書いていただきました。
 はい、「ひとりだけど、ひとりじゃない」と書きました。
――どういうことですか?
 今は実際はひとりでも、ツイッターを見ると、これだけひとりの仲間が見つかるわけじゃないですか。だからクリスマス当日もたぶんひとりなんだよね、という人たちが集まっていて、そこでどうでもいい会話とかしてると思うんですね。
 だから結局、ひとりであっても、ひとりじゃない人がたくさん世の中にいるとちゃんとわかるから、あんまり孤独感を感じる人がいないと思うんですね。
 昔はたぶん本当にひとりで、テレビを見るとか、ラジオを聴くとか、本当にひとりでさびしいってこともあったと思うんですが、今はスマホの向こう側には、同じひとりの仲間がたくさんいるわけだから、あまりそこにひとりという感情はなくなったと思うんです。
 あと加えて、恋愛とかに対するプライオリティーが下がってるのかなという気もしていて、昔は「クリスマスは絶対、恋人といないと恥ずかしい」みたいな気持ちがあったと思うんですけど、「そんなに恋愛ってうらやましいかな」って感覚も若干広まってると思うんですね。
 昔と比べて、別に恋愛って必ずしもいらないよねって人がたぶん増えていて、そこであまりさびしく感じない、恥ずかしく感じる人がないというふうになっているんじゃないかなと思うんですけど。
――若者の恋愛離れっていうことですかね?
 それもたぶん価値観の変化もあると思っていて。クリスマスはどうされるんですか?
――あっ、突然ですね(笑)。私は仕事だったので、心の中で「セーフ」と思いましたけど。
 確かに今年は―
――日曜日と月曜日がクリスマスと言うことで。
 クリスマスイブの日は仕事という言い訳はできにくいんですね。
――(私は)イブの夜から仕事なので、ちょうどまたいだ感じで仕事ですので。古市さんはいかがですか?
 ぼくは友達と、別にひとりでもいいけど友達と過ごすかな…あまりまだ決めてないです。
――でも今から予定を組まないと…
 でも、別に本当どうでも良くないですか、クリスマスって(笑)。
――結局そこに行き着くんですね。
 そんなにクリスマスどうこうってはしゃいで、高級レストランとかで、その日ばっかりは人がたくさん来るから、給食みたいなまずい食事を食べさせられるわけじゃないですか。
――流れ作業にはなりますよね。
 流れ作業でね。いつもおいしいところもクリスマスの日はまずいってことがあるわけで、そういうのあったら、別にその日にがんばらなくてもいいかなと思っちゃいますね。
――はい、じゃあ別の日に(笑)。