まるで兄弟か親戚か……分類上は別の動物なのに、見た目がソックリで区別がつかない動物たち。あなたはこの2択から正解を選べる? さて、「モモンガ」は右か左か、どちらでしょう。
【見分け方】
■その1:しっぽの形
モモンガのしっぽは太くて平たいが、フクロモモンガのしっぽは細長い。
■その2:眉間の黒い線
モモンガにはないが、フクロモモンガには眉間から背中にかけて黒い線がある。
【モモンガのデータ】
・げっ歯目リス科
・げっ歯類(ネズミの仲間)でリス科
・「空飛ぶリス」と呼ばれる
・太く平たいしっぽで風をコントロールする
【フクロモモンガのデータ】
・有袋目フクロモモンガ科
・カンガルーなどと同じ有袋類
・メスのおなかには育児用の袋(育児のう)がある
【ちょこっとトリビア】
50m近く滑空できる飛行能力を持っているモモンガとフクロモモンガ。
まったく違う祖先なのに、生息環境が似ているため同じような形に進化しました。
これを「収斂(しゅうれん)進化」と言います。
フクロモモンガは威嚇(いかく)する際に体を大きく見せるため「バンザイ」をし、クラビング(Crabbing)と呼ばれる鳴き声を出します。ただその様子は人間からすると怖さゼロ、「カワイイ」としか思えないのはご愛嬌……。
監修:新宅広二
1968年生まれ。生態科学研究機構理事長。動物行動学と教育工学を専門にし、大学院修了後に上野動物園、多摩動物公園に勤務。国内外のネイチャー・ドキュメンタリー、動物バラエティー番組の監修を手がけるほか、動物園・水族館などの展示企画・監修を手がける。著書に「しくじり動物大集合」「もっとしくじり動物大集合」(永岡書店)、「いきもの寿命ずかん」(東京書籍)、「すごいぜ!! 動物スポーツ選手権」(辰巳出版)など。近作、映画「アース:アメイジング・デイ」、テレビドラマ「僕らは奇跡でできている」(主演・高橋一生)監修。