夏休みに、家族や友だちと海水浴を計画している人も多いのでは。熱中症や日焼け、水難事故など海のレジャーで注意すべきことはさまざまですが、意外と知られていないのがビーチや海中で遭遇する可能性がある危険な生物たちの存在。そこで今回は、毒や鋭いトゲを持つ海の「要注意生物」をご紹介。しっかり安全対策をして、楽しいレジャーを過ごしましょう。
【その1】カツオノエボシ(危険度:★★★)
俗に「電気クラゲ」と呼ばれ触ると感電したような激痛が走る。毒針のある触手は長さ10m以上のものもある。このため浮き袋から離れていても海中で刺される場合もあるので注意。
【その2】ガンガゼ(危険度:★★)
磯にいるトゲの長いウニ。攻撃性はないが素足で踏むと危険。有毒の細いトゲは折れやすく、返しもついているため体内に残る危険性もある。
【その3】イモガイ(アンボイナガイ)(危険度:★★★★)
熱帯の磯に生息。猛毒の針を魚に打ち込んで食べてしまう肉食貝。模様は美しいがコブラの40倍近い神経毒を持つ。毎年死者が出ている。
【その4】ヒョウモンダコ(危険度:★★★★)
体長10cmに満たない小型のタコ。かわいいがだ液にフグと同じ毒成分を含み、人間でも死にいたる危険がある。怒ると体の表面のヒョウ柄を青く光らせて警告。
【その5】オニオコゼ、(危険度:★★★★)
体長約20cm、岩や砂地に擬態し海底にひそむ。背びれに強固な毒トゲがあり踏んでしまう事故が多い。刺されると激痛が走り発熱や呼吸困難などを引き起こす。
【チェック!】海水浴の安全対策
・事前にレジャー先の危険情報や近くの病院などを調べておこう
・海に入る前に足元や周辺をよく見よう
・見なれないものは素手でさわらない
・医者に報告できるよう被害状況を覚えておこう(時間、場所、生物の特徴など)
・ミネラルウォーターなど患部を洗えるペットボトルを用意しておこう
・被害にあったら安静にして周囲に救護を要請し専門家の指示に従おう
■監修:新宅広二
1968年生まれ。生態科学研究機構理事長。動物行動学と教育工学を専門にし、大学院修了後に上野動物園、多摩動物公園に勤務。国内外のネイチャー・ドキュメンタリー、動物バラエティー番組の監修を手がけるほか、動物園・水族館などの展示企画・監修を手がける。著書に「しくじり動物大集合」「もっとしくじり動物大集合」(永岡書店)、「いきもの寿命ずかん」(東京書籍)、「すごいぜ!! 動物スポーツ選手権」(辰巳出版)など。近作、映画「アース:アメイジング・デイ」、テレビドラマ「僕らは奇跡でできている」(主演・高橋一生)監修。