本当にあった不思議な事件、まさかと思うような驚きの生態……動物にまつわるちょっぴりコワい(?)エピソードを4コマ漫画でご紹介。
東南アジアでは、真夜中になると恐ろしい「道化師」が忍び寄る。この奇妙な生物は、二の腕から出る体液とヨダレを混ぜて自ら毒を作り出すという……。
その正体は、東南アジアのジャングルに生息する小型のサル、スローロリス。動きがゆっくりで、目のまわりの模様がピエロ(道化師)に似ていることから、その名がつきました(「ロリス」はオランダ語で「ピエロ」の意味)。
霊長類で唯一毒を持っており、二の腕の分泌液と唾液を混ぜて毒を作り出し、敵にかみついて注入します。毒は天敵の防衛用と考えられていますが、殺傷能力はそこまで高くなく用途にはまだまだ謎が多いです。
完全夜行性で木の枝をゆっくり歩き、ギョロリとした目と「ケケケッ」という笑い声にも似た威嚇音を出すさまは、昼間のかわいらしい姿とはギャップがありちょっとコワいかもしれません……。
■監修:新宅広二
1968年生まれ。生態科学研究機構理事長。動物行動学と教育工学を専門にし、大学院修了後に上野動物園、多摩動物公園に勤務。国内外のネイチャー・ドキュメンタリー、動物バラエティー番組の監修を手がけるほか、動物園・水族館などの展示企画・監修を手がける。著書に「しくじり動物大集合」「もっとしくじり動物大集合」(永岡書店)、「いきもの寿命ずかん」(東京書籍)、「すごいぜ!! 動物スポーツ選手権」(辰巳出版)など。近作、映画「アース:アメイジング・デイ」、テレビドラマ「僕らは奇跡でできている」(主演・高橋一生)監修。