世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「日本の“食品ロス”どれくらい?」。環境と健康に優しいアイテムを製造・販売するフロムファーイースト代表・阪口竜也氏は何を語るのか――
農林水産省によると、本来食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」の量は、2014年度、621万トンだった。これは、国連WFPによる世界全体の食料援助量の約2倍となる。ネット上ではこんな声があがっている。
「過剰供給するの、やめましょう」
「命を粗末にしていることも考えたい」
「厳格な食品衛生管理と、どう両立させるか」
――この意見について阪口さんはどのようにお考えになっているか、フリップに書いていただきました。お願いいたします。
「創造なき便利さの代償」。結局ですね、なぜロスが出るかというと、どこに住んでいてもお店に行けば、例えば500円出せば1食分のお弁当とかレストランで料理が出てくる。
それはすぐ出てきますけども、じゃあそこに食物が10種類入っていて、これが調理されて…作っているところからいうと、すごく時間と手間がかかってますよね。
それを500円ですぐ手にすることができるという事への代償が、やっぱりロスにつながる。でもこういう議論すると、じゃあ昔の不便な暮らしをすればいいのかという話がよく出てくるので、僕はそうじゃないと思っていて。
「創造なき」というのは、例えば、地球上の生物の中で人間だけがこの創造をできるんですよ。本来は人間が創造して、今のテクノロジーもちゃんと駆使して、ロスが無いようにしようと考えてやればできるはずなんですよね。
――人間の力でできること。
だけど、中々そうしないのは、需要が少ないからですね。だから、我々はロスをしないんですというお店、レストランなんかが増えて、それを求める人たちがやってきて、求める人たちが増えればまた、店の数も増えていって、どっかのタイミングで大きなチェーン店なんかも、そういうコンセプトでやっていこうというふうになっていくんじゃないかなと思って。まずはだから、こういうことを「知る」という事から。
――人間で失われてしまったもの、人間が失ってしまうものを、人間の力でも取り戻すことができると。
そうですね。