子どもと親のダブルケア「抱え込まないで」

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日テレNEWS24

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を伺う「opinions(オピニオンズ)」。今回の話題は「ダブルケア 晩産女性の3割が経験」。医療や社会保障、教育を専門に取材する編集委員も経験した日本テレビ経済部・鈴木あずさデスクに話を聞く。
“ダブルケア”とは、親の介護と育児を同じ時期に行わなければならない状況を指す。第一生命経済研究所の調査によると、35歳以上で出産した女性の3人に1人が、「子どもが小学生以下の時期に親の介護などを経験した」と回答した。ネット上にはこんな声があがった。
「女性の負担が増す。夫の協力が本当に大切」
「働きながらのダブルケア、これはツラい」
「精神的な不安も多そう。本人がつぶれなきゃいいけど」
――晩婚化と出産年齢の高齢化がダブルケアの背景にあるということですが、鈴木さん、こういった意見に対してどんな思いをお持ちですか?
実は私も38歳で出産していて、子どもがいま5歳なんですけれども、ちょうど同じ時期に、実家の父がパーキンソン病で、その介護が非常に大変になってきた時期でした。認知症も進みまして、居間で失禁をしてしまったり。
そういう時に、子どもが熱を出したりすると本当に大変で、「仕事を辞めなきゃいけないかな」と思い詰めたりした時期もありました。
こうしたダブルケアを経験されている方は、内閣府の調査によると全国で約25万人。結構いらっしゃるんですよね。いま、介護離職というのも非常に大変な問題になっているんですけれども、こうした事を防ぐには“夫の協力”が欠かせないんですね。実際、私も育児や家事の大部分を夫に担ってもらって、介護の時間を捻出したということがありました。
6歳未満の子どもがいる共働きの家庭で、家事・育児・介護にあてている時間を国が調査したものでは、奥さんの方が6時間10分に対して、夫の方は1時間24分と、6倍くらいのひらきがあるんです。
国はいま、“女性活躍”を掲げながら少子化もストップしたいと言っていますが、そうすると、どうしても女性の負担が増えてしまう。ですので、家庭内での“男女共同参画”が非常に今後、大事になってくると思います。
また、私の経験から思っていることは、「抱え込まない」ということです。私自身も利用していますが、いま例えば、子育てについてはネットでベビーシッターが頼めたり、あるいは家事の代行サービスをお願いしたりすることもできます。
一方で介護については、介護している家族が非常に大変な思いをしているので、短期入所というかたちで“レスパイト”という家族を助ける取り組みなどもありますので、1人で抱え込まずに社会の手を借りていくということが大事だと思っています。