「幸福学」の研究をする慶応義塾大学・大学院教授の前野隆司氏。幸せになるためのメカニズムの解明を目指し、「幸福・欲求・共感・感動」を計測、また、企業ともタッグを組み、人々が生活の中で幸福学を活用できるようにする取り組みをしている。
――幸福学とは、具体的にどんな学問なのでしょう。
基本は心理学などを使って「幸せ」を測る。それからいろいろな計測もありますね。その結果を生かして、幸せな働き方とか、人が幸せになる製品・サービスを作っていくとか――幸せに関する科学をいろいろ広めていくという分野です。
――科学ということで、前野さんは元々、理系の方なんですよね。
そうですね。元々、ロボットなどをつくるエンジニアでした。
――その理系の思考も幸福学に落とし込めるということでしょうか。
そうですね。やっぱり工学というのは「ものをつくる」ということですから、人々の幸せになるものをつくるという、私としては、工学の一分野だと思っています。