民泊の新ルール「都市部は無関心がリスク」

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世の中で議論を呼んでいる話題について意見を聞く「opinions」。今回の話題は「民泊運営 6月から新ルール」。中山間地域の活性化や、公共空間の活用などを手がけるコミュニティデザイナーの山崎亮氏に話を聞く。
住宅の空き部屋などに旅行者を宿泊させる「民泊」を運営するためのルールを定める新しい法律が、今年6月に施行される。これまでは一部地域でのみ認められていたが、今後は全国どの場所でも運営できるようになる。
部屋を貸し出す人が都道府県に届け出れば、年間180日まで民泊として営業できるということで、問題となっている無許可営業の「ヤミ民泊」の排除が実現するかも注目される。ネット上ではこんな声があがっていた。
「五輪に向けホテル不足が解消されそう」
「知らない人が隣の部屋に泊まるのは不安」
「民泊は日本文化になじまないのでは」
――山崎さんに、この話題についてのご意見をフリップに書いていただきました。お願いします。
「関係性が重要」。民泊と一言で言っても、大きく2つの種類があると思うんです。
1つは「貸主がそこにいる」という状態です。これは、地方に行ったりして、いわゆる民宿や、あるいは大きな家の空き部屋を借りる場合なんかはそうです。あとは朝ご飯を作ってくれたりするところもあったりしますね。その貸主の方と色んな話をしたり、地域の話や歴史の話を聞いたりしながら泊まるタイプが1つ。
それから、都市部に多いんですけれども、ワンルームマンションのようなものを空いている時間に貸しますよという、「貸主がそこにいない」タイプもあります。
どちらについても関係性がけっこう重要です。まず、最初に言ったタイプは、関係性の中で民泊を味わうということです。これは楽しいことが起きますが、一方で、貸主が不在の場合は、けっこうトラブルに展開する場合も多いんです。夜騒いでいた、ゴミを捨てていたとか、近所からの苦情が出る場合もあります。
これも実は、地域の人たち同士の関係性がしっかり成り立っていて、自分たちのマンションの中、あるいは地域に民泊が入ってきていいかどうか、自分たちで話し合って決めることが大事になってくると思います。したがって、無関心というのが都市部ではリスクになる可能性があって、「知らない間に民泊だらけになっていた」ということが可能になってしまうかもしれない。
いずれにしても、関係性をしっかりと作りながら民泊の是非を問う、あるいは民泊を楽しむ。こういうことが重要になってくるきっかけになる法案なんじゃないかなという気がしますね。
――どちらにしても、コミュニティが大切ということですね。
■山崎亮氏プロフィル
コミュニティデザイナー。中山間地域の活性化や公共空間の活用などを手がけている。コンセプトは「モノをデザインしないデザイナー」。ワークショップなどを通じ、地域住民自身が問題意識を持ち、主体的に「まちづくりの担い手」となれるようなコミュニティ作りに取り組んでいる。