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※ 視聴回数は1日1回更新されます。もっと若い人にお寺を訪れてもらおうと、ダンスミュージックの「テクノ」とお寺の「法要」を掛け合わせたイベント「テクノ法要」を行っている住職がいる。DJ住職が生みだした「テクノ法要」を取材した。
本堂に映されたきらびやかなプロジェクションマッピング。住職自ら制作したテクノ音楽に合わせてお経を読む。これはお寺で行われる法要とテクノ音楽が融合した「テクノ法要」。参拝者はリズムを取りながら聞き入っている。
この日は「花まつり」と呼ばれるお釈迦(しゃか)さまの生誕を祝う日。ここで行われる「テクノ法要」目当てで県外はもちろん海外からも多くの人々が訪れた。
福井にある照恩寺の住職・朝倉行宣さん「(お坊さんには)まったくなりたくなかったですね。辛気臭いね、かっこよくないというか」
朝倉さんは住職の長男として生まれたが、若い頃は跡を継ぐことを拒否。将来はミュージシャンを目指し、特にテクノ音楽にハマっていた。学生時代はクラブなどでDJを行い、多くの人々と交流を深めていたが…
朝倉さん「お寺もコミュニティですから、色んな人が集まって、色んな交流があってお寺は成り立つ」
音楽と同様に人々の交流の場や拠り所としてのお寺を絶やしてはならないと感じ始めたという。そして24歳の時、僧侶の道へと進む決意をした。
朝倉さん「どうやったら人が(仏教に)興味を持ってくれるんだろうってことですよね」
その当時、お寺への参拝者は減り続けていて、花まつりでも30~40人しか訪れなかったという。「なにか新しいことをしなければ」という思いからDJ時代の経験を生かし「テクノ法要」を思いついた。
2016年に初めて「テクノ法要」を行い、その斬新さがSNSなどで話題になった。今年は老若男女問わず約300人もの参拝者が訪れた。
朝倉さん「僕はこの形にこだわるわけではないんですよね。色んな人が(仏教に)興味を持って、同時に自分も楽しんでいきたいですしね。めちゃくちゃ楽しいですよ。楽しくなかったらやってないです」