発達障害があると依存症になりやすい?【短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話】

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依存症と関わりの深い発達障害についても考えてみましょう。発達障害はASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)など多岐にわたります。生まれつき見られる脳の働きの違いによって起き、多くは幼児のうちから行動面や情緒面に特徴があらわれます。親の育て方が悪いわけでも、本人のわがままや努力不足でもありません。
 なかでも、依存症と合併しやすいのはASDとADHDです。ASDの主な特徴として、コミュニケーション障害をはじめ対人関係・社会性の障害、行動のパターン化や強いこだわりが挙げられます。ADHDは気が散りやすく集中できない、待つことが苦手で人の邪魔をしてしまうといった行動特性があります。ASDは成人の約1%、ADHDは3~4%に見られる身近な障害です。
 発達障害の特性を考えると、仕事や人間関係で困難、つらさ、孤立感などを抱えやすいのが容易に想像できると思います。そんな生きにくさを簡単に解消してくれる手段として、お酒や薬物、ギャンブルに出合ったとしたら……。アメリカでは、ADHDの15.2%が物質関連障害を合併しているという研究もあります。一方で、依存症とADHDはどちらも衝動性が高いという特性があるため区別が難しく、そのことを踏まえた治療や援助が求められます。
【出典】『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石雅之 著