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※ 視聴回数は1日1回更新されます。「幸せホルモン」「やる気のもと」とも呼ばれているドーパミンは、快感や多幸感をもたらしてモチベーションを向上させる神経伝達物質です。
ドーパミンは、何かを達成したときや欲求を満たす行動をしたときに、脳の腹側被蓋野にある神経細胞から分泌されます。すると、脳の「報酬系」と呼ばれる神経系が活性化。その影響は情動を司る「扁桃体」に伝わり、快感や高揚感といった報酬をもたらします。大脳辺縁系はこれを「欲求を満たす行動」として記憶します。
例えば、努力して仕事や勉強で成果を上げ、周りの人から褒められると、脳の報酬系ではドーパミンが増えてうれしい気持ちになります。すると脳は、仕事や勉強に励むことは快楽をもたらすと記憶して、ますます努力するようになります。ドーパミンは、この他に運動調節に関連する機能もあり、欠かすことのできない物質です。
アルコールや薬物には報酬系を活性化させる作用があります。また、ギャンブルの大当たりやゲームによる達成感でも、多量のドーパミンが放出されます。これらは依存性のある物質や行為と快感が結び付くため、繰り返し行うと脳の働きが変化し、やがて正常な判断ができなくなります。これが感情や本能を司る脳(サルの脳)が暴走している状態。依存症はドーパミンによる脳の報酬系の異常によって発症するのです。
出典:『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石雅之 著