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※ 視聴回数は1日1回更新されます。人の脳には大きく3つの機能があります。1つ目は「生命維持を司つかさどる」機能で、例えるなら「爬虫類の脳」。普段はほとんど意識することはありませんが、呼吸をする、心臓を動かすなど、まさに生きるために欠かせない活動を指示しています。2つ目は「感情を司る」機能で、例えるなら「サルの脳」。喜怒哀楽をはじめとする心の動きを指示します。3つ目は「理性を司る」機能で、例えるなら「ヒトの脳」。言葉という道具を使用して情報を分析し、理性的な行動を指示します。
この3つの機能を持つ脳の中で、高度な言語を使い、理性を司る「ヒトの脳」が最高司令官のように思えますが、むしろ、生命維持を司る「爬虫類の脳」が最も強く、理性を司る「ヒトの脳」は最も弱いのです。例えば、理性の力で呼吸や心臓を止めることはできません。また、目の前のスイーツやお酒の誘惑に勝てないのは、理性を司る「ヒトの脳」が、本能的な感情を司る「サルの脳」に負けやすいからです。
理性を司る「ヒトの脳」は「お酒の飲みすぎは体を壊して死を招くリスクがある」と理解しています。そのため、正常なら脳は酩酊感を強く求めません。しかし、繰り返し飲酒することで感情を司る「サルの脳」が変化し酩酊感を強く求めるようになり、お酒をやめられなくなります。このような状態が依存症といえます。
出典:『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石雅之 著