和竿からグラスロッドへ その1

視聴回数1,088,993

※ 視聴回数は1日1回更新されます。
©釣りビジョン

株式会社釣りビジョン

みなさんは釣竿の歴史についてどのくらいご存じだろうか。
古くから、日本には良質の竹が多く生育していたことから、竹で出来た竿(和竿)が釣りに使用されてきた。比較的真っ直ぐな素性の良い竹を選定し、枝などをトリミングした「竹の幹一本もの」の竿である。
しかし、昭和20年(1945年)に終戦を迎え、連合軍統治下の時代、米兵の土産や欧米への輸出品として、「スプリットバンブーロッド(六角竿)」なるものが大量に生産れることになった。バンブーという文字が示す通り、竿の素材は「竹」ではあるが、スプリットという名が指すところは、引き裂き六面を作る六角形の竿だということ。更に和竿と異なる部分として、糸を通すガイドが付いていることが特徴である。当時、欧米では既にリールが普及しており、「リール竿」の需要が高かったのだ。
そんなスプリットバンブーロッドは、国内では一切販売されていなかった。輸出品として外貨獲得の主力商品となっていたのである。日本国内は食糧難がまだまだ続く状況で、釣りという行為は、趣味で嗜むものより、食糧確保の手段、といった時代。日本人にとっては、まだまだ竹竿(和竿)中心の貧しい時代であった。
ところが、米国の技術革新で化学繊維が次々と誕生し、その一つ「ガラス繊維」が竿の歴史に革命を起こすことになっていく。