間違った思い込みをなくす!誤解の多い依存症【短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話】

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依存症についての誤った印象や思い込みは意外に多く、予防や回復の妨げになります。
 たまに薬物乱用の防止ポスターで、薬物によって変わり果てた人を描いたものがありますが、実際には依存症患者と見た目でわかるような姿になるのは重症なケースで、ごく「普通」に見える人が依存症ということも珍しくないのです。
 例えば薬物依存症になると、普通の暮らしに戻れないと思う人もいるでしょう。確かに依存症の完治は難しいものですが、回復して社会復帰することは十分可能です。また、治療を始めたらお酒を完全にやめさせられるのが耐えられないからと、医療機関の受診を避ける人もいます。依存対象によっては、いきなり完全に絶つのは現実的でないものもあり、「依存対象・依存行動を減らして、生じる問題も減らしていく」ことを重視した実現可能なプログラムで治療を進めていきます。また、なかなかやめられないのは脳の仕組みの変化によるものなので、だらしがない、意志が弱いといった性格のせいではありません。
 家族や周囲の人の関わり方も回復を大きく左右します。よかれと思ってしたことが逆効果になる場合もあるので、専門家などの助言をもとにした適切な対応が重要です。自分が依存症にならないためにも、依存症になった誰かを助けるためにも、まずは正しい知識を身につけましょう。
出典:『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石雅之 著