保育士にっこり「松戸手当」 施策のワケは

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日テレNEWS24

千葉県松戸市が保育士に一定額を補助する“松戸手当”という制度が、ネット上で話題となっている。現地を取材した。
■給与に上乗せ“松戸手当” その他補助も
待機児童ゼロを達成している千葉県松戸市。市内で働く保育士に給与明細を見せてもらうと、“まつど手当”という項目があった。一体どんな手当なのか。
松戸市では、給与に上乗せするかたちで、毎月4万5000円から7万2000円を支給する松戸手当を始めた。支給額は勤務年数によって増加する仕組みだ。
市内で働く保育士の基本給は、平均で20万4522円。松戸手当について、保育士はこう語る。
「貯金ができるようになりました」
「お金を今までより頂けるということで、より身が引き締まる感じですね」
市では、松戸手当以外にも様々な補助を行っている。新卒保育士の家賃補助は、毎月最大3万円。保育施設への就職準備にかかる費用は、最大10万円の貸付。さらに、これから保育士の資格をとる人にも、教材費などに最大15万円を助成するとしている。
■きっかけは“東京都”
なぜ、こうした手厚い補助を行うのだろうか。そのきっかけは、東京都の待機児童ゼロを目指す政策だった。
東京都は2017年度から、保育士に給与補助として月に4万4000円を支給することになった。この影響で、松戸市から隣の東京へ保育士が流出。市内の保育士が足りない状況が起きてしまった。
これを改善するべく、松戸市は東京都よりも支給額を増やし、更に手厚い補助を年度半ばの10月から開始した。
■労働環境改善と質の向上を目指して
手厚い補助の効果は出ているのだろうか。松戸市役所の幼児保育課・伊原課長はこう語る。
「他市や東京都に移る方がどの施設でもいたが、今年はほとんどいなくなったと聞いている。歯止めとしては効果が出ていると思う」
市はこの取り組みで、保育士がより長く働きやすい環境をつくり、ベテランを増やすことで保育の質も上げていきたいとしている。