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※ 視聴回数は1日1回更新されます。京都・宇治の丸久小山園では、毎年5月、年に1度だけ、手摘みする茶葉だけが抹茶に使われます。摘まれた生葉を強烈な蒸気で蒸し、茶葉の発酵を止めます。蒸された生葉を風の力で繰り返し吹き上げ、広げて乾かします。
その後、かたい茎や葉脈などを取り除きます。最高級の抹茶は、この作業を機械ではなく手作業で行います。そして、わけられた柔らかな葉の部分。この茶葉だけを石臼の上から入れます。最高級の抹茶には、最良の石臼が欠かせません。
石臼でひいた茶葉は、数マイクロメートルという細かさ。1基の石臼で1時間にひけるのは、わずか40グラムほどですが、石臼は欠かせないといいます。
丸久小山園・小山社長「石臼でないと一番最高のものはできない」「分子が複雑な形になって、喉ごしがいいということで、石臼で昔からひいてるわけなんです」
茶葉をひくときに、練りすぎると色あせ、熱が加わらないと香りがでないなど、良い加減にするのは茶園の腕の見せどころ。抹茶のひき具合を決める溝の形は茶園独自のもの。石臼のメンテナンスは難しいのですが、小山園では代々、専任の技術者が管理し、常に最良の状態に保っています。
石臼へのこだわりから生まれる抹茶。こうしてできた抹茶は、すぐに機械で密封されることで、ひきたての風味が保たれ最高級の抹茶が生まれるのです。