洗濯×カフェ=新たな公共空間 交流の場に

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1月、都内にオープンした“洗濯機があるカフェ”が話題になっている。なぜ話題になっているのか?そのワケを探った。
■カフェで洗濯?喫茶ランドリー
一見、よくありそうなカフェ。しかし、奥へ進むと、そこにあったのはまさかの“洗濯機”…。ここは、今年1月に東京・両国にオープンしたばかりの、その名も“喫茶ランドリー”だ。
飲食だけの利用はもちろん、洗濯と乾燥だけの利用も可能だ。さらには、コーヒーと洗濯・乾燥のセットもある。用途別に様々な洗剤や柔軟剤が自由に使用可能で、アイロンとミシンも利用することができる。
子ども連れ家族などで平日もにぎわい、洗濯を待つ間は自然と客同士で話が弾む。兵庫県出身の常連客はこう話す。
「まさか東京でご近所付き合いすると思ってなかった」
■狙いは“近所付き合い”
実は、この“近所付き合い”こそ喫茶ランドリー最大の狙いだ。運営するのは、街づくりを行うコンサルティング会社。カフェ店内が会社の事務所にもなっている。喫茶ランドリーがある墨田区周辺は、地方からの移住者も多く人口は増加中だ。運営会社の田中社長はこう語る。
「なぜ人が交流する機会や場が、一緒に作られないか不思議だった」
元々、店舗の場所は町工場が廃業した跡地だった。地域住民のためになる場所を作りたかったという。女性の常連客は、この店についてこう話す。
「家だとつまらない作業でも、ここだとちょっと楽しい。主婦って孤独ですよ」
家事を家の外に持ち出すことで、自然と客同士の新たなコミュニケーションが生まれた。さらに、洗濯とカフェを掛け合わせた自由な空間作りが活用され、地域住民発案のワークショップや、企業の勉強会など新たな使われ方もされている。ある常連客は「私的公民館」だと話す。
新たな公共スペースのかたちとして“洗濯×カフェ”の組み合わせは広まっていくかもしれない。