「男女どちらでもない」Xジェンダーとは?

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心と体の性が一致しないなどの性的マイノリティーのなかで、いま“Xジェンダー”と呼ばれる人たちの存在が注目されるようになっている。自身もゲイという性的マイノリティーである日本テレビ社会部・白川大介記者が取材した。
■「19歳の時に死のうと思った」
男性、女性どちらでもないXジェンダーという人たち。当事者である大賀一樹さんはこう話す。
「セクシュアリティのことを言える相手がいなくて、19歳の時に死のうと思った」
今月、性的マイノリティーの人たちのパレードが行われた。今年は過去最多の約7000人が参加し、LGBTという言葉も認知されつつある。
LGBTとは、レズビアン(L)、ゲイ(G)、両方の性別を好きになるバイセクシュアル(B)、そして、Tは男性の体で生まれ女性の心を持つ人や、女性の体で生まれ男性の心を持つ人のトランスジェンダー(T)を指す。
しかし、Xジェンダーと呼ばれる人たちは――
「どちらでもないという言い方が一番しっくりきます」
大賀さんは、体の性別は男性として生まれた。しかし、自分の心を男性ではないと感じ、メークをしたり様々なスタイルを試したりしたが、トランスジェンダーのように完全に女性として生きたいとも思えなかった。
「この世界は、なんでこんなに二分されているんだろうなと不思議」
■“Xジェンダー”という考え方
大賀さんが自分の性について悩むなか、学校では「女っぽい」などといじめにあった。
「1人ずつにメッセージを作った時、私は“死ね”って書いてあったり、“お前はこの世から消えろ”って書いてあったり」
そんな時、ネットで知り合った友人に誘われて参加した性的マイノリティーの集まりで、Xジェンダーという考え方と出会った。
「Xジェンダーという言葉を知ったとき、男性でも女性でもないと思っていいんだという発想がなかった。自分としてはこれからも生きられるかなと思いました」
■「本当にわかってくれる人はいる」
Xジェンダーは、まだ社会的な認知度が低く、暮らしの中で様々な困難を感じているという。LGBTのパレードに参加していたXジェンダーたちはこう話してくれた。
「身近なところでいうと性別欄。本当は男でも女でもどちらでもない」
「冠婚葬祭の時に女性的な服、ワンピースだったりスカートを要求されることが多い」
早稲田大学は去年、性的マイノリティーなどの学生をサポートするために作られた日本初の施設を開設した。大賀さんは職員として、ここで学生たちの相談にのっている。大賀さんは自身の思いをこう吐露した。
「自分の性別に悩んでいて死を考えたりとか、いじめがあったとしても、本当にわかってくれる人はいる。それは、本当はすごく身近な人だったらいいけど、身近じゃなくても同じような気持ちを持った人は探せばいるので諦めないでほしい」