「いのちの電話」進む若者離れと現場の思い

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日テレNEWS24

仕事や生活などに悩んでいる人の話を聞いて自殺防止につなげる「いのちの電話」。取り組みが始まってから約50年以上がたつ中、若者との関わりが急速に失われつつあります。
相談員「はい、『いのちの電話』です。死にたいような気持ちだと言われたんですけど、どういうことで死にたいと思われたんですか?」
家族、職場、学校、恋愛…どんな人でも悩みを相談できるよう開局された「いのちの電話」。24時間365日、全国52か所でボランティア相談員たちが電話に応えています。
相談員「どんなことで今日はお電話してくださったんですか?」
初めは緊張から口数が少ない相談者も多いといいます。
相談員「ええ、苦しいですね。大変な中で子育てをされて、いまも続いていらっしゃると思います」
相談員は対等な関係で寄り添い、信頼関係を築いていきます。
相談員「苦しい思いもしているけども、その中でも本当によく頑張っていらっしゃいますよ。ちょっと気持ちが落ち込んだりとかしたら、ここに電話かけて頂いてお話しして頂ければ」
約30分、一期一会の電話です。相談員のボランティアを始め18年がたつ女性。匿名だからこそ築ける信頼関係を大事にしているため、名前を明かさない条件で今回取材に応じてくれました。
相談員「(昔は)金魚が死んじゃったの、という小学生の子どもから電話があったと聞いてるけれども、(いまは)気軽に電話ができる存在ではなくなってるのかもしれないんですけど」
いま、若者との関わりが急速に希薄化しています。30年前には20%ほどを占めていた10代からの相談件数は現在約1%のみ。さらに相談員自体の数もピーク時の半数近くに。特に若い世代の相談員が不足しています。
東京いのちの電話・末松理事長「いま自分が生きていることの大切さ。生かされていることの大切さ、それを知っている人たちが電話を受けている。自分が悩んでいること自体が本当に大切なことなんだよって、語りを通して感じ取れる場所、それは『いのちの電話』ならではだと思います」
不登校の小中学生は過去最多の約14万人。10代の自殺率も増加している中、様々な逃げ道があることを知ってほしいといいます。