いつもの場所に新しい「景色」が生まれる?見る者を不思議な感覚に誘うインスタレーション「VIEWFINDER」

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朝日新聞社

bouncy / バウンシー

海岸に佇むこちらの大きな物体、一体何に見えるだろうか。潜望鏡に似ているが、海中から海上へではなく、陸上の崖から海へと平行に伸びている。
これは、オーストラリアの工業デザイナー兼アーティストであるJoel Adler氏が、海の景観と潜望鏡の仕組みから着想を得て制作したインスタレーション作品「VIEWFINDER」だ。
反射鏡で見える景色は別世界?
「VIEWFINDER」を崖側から覗くと、反射鏡によって崖下の海を真上から映した景色が見える。
違う視点の景色がフレームで切り取られることによって、距離感やサイズ感がつかみにくくなり、なんだがここではない別の世界を覗いているような不思議な感覚に陥る。
昔ながらの技術を使ったアナログな潜望鏡でありながら、まるで精細なデジタルディスプレイのように見えるギャップも面白い。
慣れ親しんだ空間と新たな視点でつながり直す
作品の展示期間中は、ここの景色を見慣れている地元の人も、通る度に立ち止まり景色を覗いていったという。
Joel Adler氏は、この作品によって、いつもの景色を別の視点で見つめ直し、その空間と改めてつながる機会を得られるのではないかと語る。
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毎日通る見慣れた場所ほど、視点を変えると新たな発見に溢れているかもしれない。
VIEWFINDER
Joel Adler