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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 体操や飛び込みのような競技を見ていると、ほとんどの選手が小柄なうえ、がっちり筋肉がついています。一方、バレーボールやバスケットボールの選手の多くはすらりと背が高く、極端な筋肉の肥大は見られません。そのためか、「成長期に筋肉をつけると背が伸びない」というのが定説のようになっていますが、これは真実でしょうか。
答えはノー。まったくの迷信です。体操競技を例に考えてみましょう。高得点を出すには「回転」がカギとなりますが、物理学的には物体は短いほうが回転しやすいので、背が高い人はおのずと淘汰されます。つまり、体操をやるから背が伸びないのではなく、小柄だから体操競技に長けている、ということなのです。反対に、高さを競うバスケットボールでは当然、背の高い人のほうが有利です。骨格や体格などの身体条件によって向いているスポーツが違うというだけで、身長の伸び方は筋肉の発達と関係ありません。
実は、成長期の筋トレが体の成長にマイナスに働くことはなく、むしろプラスの効果のほうが大きいと考えられています。筋肉に適切な負荷をかけると成長ホルモンが出るからです。成長ホルモンは骨の形成を助けてくれます。成長期は骨の縦の成長を促しますが、成人すると骨の密度を上げてくれるので、加齢で骨密度が減少し始める中高年期にも、筋トレは有効だといえます。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』
著/坂詰真二