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※ 視聴回数は1日1回更新されます。「筋肉」とは一般に、関節をまたいで骨に付着した「骨格筋」をさします。心筋や内臓筋などの不随意筋と違い、骨格筋は自分の意思で動かせる筋肉です。それゆえ、その人のスタイルや姿勢、健康状態までも左右する組織といえます。
骨格筋を構成する細長い筋線維には「速筋線維」と「遅筋線維」の2つのタイプがあります。実は速筋と遅筋の収縮速度に違いはなく、異なるのは発揮できる力の大きさとその持続性。速筋は出力が大きく持久性に乏しい線維で、強度の高い運動をするときに働きます。一方、持久性に優れるものの出力が小さい遅筋は、低強度の運動だけでなく、姿勢を支えたり、歩くときなど日常の動作の中で常に働いています。
日頃使う機会が少ない速筋ですが、その役割は絶大。体に必要な「熱」を多く生み出すためにたくさんの糖や脂肪を使ってくれます。美と健康を保つためには欠かせない存在といっていいでしょう。人は高齢になるほどエネルギーを使わない体質になりますが、速筋を鍛え続ければ、加齢に逆らって痩せやすい体質に変わることができます。
遅筋は日常の生活で使われるためにほとんど減りませんが、速筋は普通に生活をしていると年々減少して、体力と代謝を低下させ、それが肥満や生活習慣病予防、ロコモティブ・シンドロームの原因となります。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』
著/坂詰真二