少しサボっても、一度ついた筋肉は裏切らない【眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話】

ラブすぽ

 週1、2回のトレーニングといえども、社会人になると思うようにできないこともあります。仕事で多忙なうえ、残業や出張、あるいは出産や育児などで中断を余儀なくされることも。2週間以内の中断なら筋力はあまり低下せず、筋肉量も減りませんが、それ以降は徐々に衰えていきます。
 ただ、一定期間きちんと鍛えてできあがった筋肉は、衰えるスピードがゆるやかです。これは「マッスルメモリー」とよばれる筋肉の記憶装置のおかげです。その記憶力に貢献しているのが、筋線維の周囲にあるサテライト(衛星)細胞とよばれるもの。筋トレをすると活性化し、筋線維と融合して細胞核の増殖と筋肥大を促します。一度融合すると離れないので、細胞核が減ることはありません。そのため、トレーニングを再開(リトレーニング)するとサテライト細胞が再び活性化し、最初よりも速いペースで筋肉量と筋力を復活させてくれるのです。
 この仕組みが永遠に働くのかどうかはまだよくわかっていませんが、マッスルメモリーは少なくとも10年以上は残るといわれています。前述のように、筋肉ができあがるまでは時間がかかるため、トレーニングを途中でやめてしまう人が多いのですが、このマッスルメモリーの働きを知れば、ここであきらめるのがどれだけもったいないことか、ご理解いただけるでしょう。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』
著/坂詰真二