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※ 視聴回数は1日1回更新されます。買い物をすると気分が高揚し、一時的に嫌なことが忘れられます。ただし、繰り返すうちに高揚感をもたらす買い物という行為自体が目的になり、コントロールができなくなることも。正式な診断名ではありませんが、こうした状態は一般的に買い物依存症と呼ばれています。行為だけではなく、服や車など特定の購入物に依存するケースも多く、病態像は多岐にわたります。2022年の大石クリニック新規患者数は女性46人、男性29人。女性の疾患と思われがちですが約3割は男性で、趣味の延長からというケースがよくあります。購入先は圧倒的にネットショップが多く、支払いも登録済みのクレジットカードで払うため、お金を使った感覚がほとんどありません。衝動的な欲求が抑えられず借金をしてでも買い物を繰り返しますが、購入後は大半買った物への興味を失います。
依存の背景に双極性障害、発達障害、うつ病などが潜んでいることもあります。例えば、双極性障害の定期的に気分が高揚する時期に大金を使ってしまう、ASDに見られるこだわりの強さから同じボールペンを何本も買う、うつ病なら気分が沈みきって少し回復し始めたときに気持ちを上げようとして買い物するといったもので、合併する疾患も治療の対象になります。こうしたケースでも、買うことだけで満足して、買った物の箱を開けずに放置していることが多々あります。
【出典】『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石雅之 著