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※ 視聴回数は1日1回更新されます。薬物依存症で苦しんでいる方に何よりも伝えたいのは、なるべく早く病院に行ってほしいということです。大石クリニックでは、たとえ違法薬物への依存でも、受診がきっかけで通報することはありません。依存症は治療が必要な疾患です。薬をやめられない悪循環を断ち切れるのは治療だけです。逮捕されてようやく受診に繋がった患者さんが「捕まってよかった」と本音を漏らすことも少なくありません。この言葉には、「自分ではどうにもならない。誰か止めて」という底知れない苦悩が凝縮されています。
薬物依存症は、アルコール依存症と同様に、軽症ならば通学・通院しながらでも治療可能です。ただし、抗酒薬や飲酒欲求低減薬のように依存対象を遠ざけられる薬はなく、スリップ(再使用)を繰り返すことも。ですが、スリップしたからといってそれまでの治療が無駄になるわけではありません。スリップするたびに、引き金になった原因やそのときの気持ち、対処法を治療者とともに検討し、再発防止のヒントにして乗り越えましょう。また、集団プログラムや自助グループで、体験や悩み、本音を語り合うことも心のケアになり、次第に薬物との距離を保てるようになります。自宅からの通院が困難、離脱症状がきついといった場合は、薬物依存症のグループホームへの入居や、入院による解毒・治療も検討します。
【出典】『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石雅之 著