他の依存症とも関連する「摂食障害」とは?【短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話】

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依存症と関わりの深い疾患の1つに摂食障害があります。摂食障害とは、主に体重や体型の感じ方に障害があり、食行動を中心に様々な問題があらわれる病で、患者のほとんどは女性です。明らかにやせているのに、もっとやせたい、太りたくないと強く思い、食事量を制限するのは拒食症(神経性やせ症)。疲れやすくなり筋力の低下、骨が弱くなるといった身体症状や、イライラ、集中力の低下など心理的症状があらわれます。一方、神経性過食症は、食のコントロールができなくなり頻繁に過食してしまう状態で、ドカ食いした罪悪感から、食べた物を吐いたり下剤を使って排泄したりします。この2つは一見正反対のようですが、やせたい気持ちは共通。ダイエットから拒食症になり、厳しい食事制限の反動で過食症に陥るパターンが多く見られます。過食や罪悪感はあっても嘔吐や下剤使用がない場合は過食性障害です。
 摂食障害があると衝動のコントロールが難しく、強迫的なためこみ症状も見られます。また、過食嘔吐を繰り返していると「どうせ吐くものにお金を払うのはもったいない」というゆがんだ思考に陥り、万引きする要因にもなります。大石クリニックのクレプトマニアの集団精神療法参加者に限ると、およそ3割は、摂食障害が見られます。依存症からの回復には、背後にある疾患への理解や治療が欠かせません。
【出典】『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石雅之 著