「調子がいい」のは一時的!? 健康被害多発の「カフェイン依存」とは【短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話】

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何気なく飲んでいる嗜好品の中にも、依存を引き起こす成分が含まれています。それは、コーヒーや紅茶、緑茶、コーラ、エナジードリンクなどに含まれるカフェイン。仕事や勉強、運転中などに疲労を感じたときに、もうひと頑張りしようとコーヒーを飲む人が多いのは、カフェインに集中力の向上や、眠気・倦怠感の抑制などの効果があるからです。脳内で眠気を起こすアデノシンという物質をカフェインがブロックするため、疲れがとれてパフォーマンスが向上したように感じます。これは、疲労が解消したわけではなく、カフェインの作用で一時的に感じにくくなっているだけ。試験や締め切りを乗り切るために頼ったら、その後は休息して疲労回復することが大切です。
 世界一睡眠時間が短いといわれる日本人は、残念なことに休息の大切さをあまり理解していません。コーヒーを何杯も飲み、それでもダメならカフェインの多いエナジードリンクや眠気防止薬を服用してでも無理を重ねがち。カフェインは市販の風邪薬などにも含まれているため、コーヒーやエナジードリンクとの併用によって過剰摂取を招くこともあります。実際に、中毒による心停止や死亡事故も起きているので、1日の摂取量を超えていないか、中毒症状が出ていないかを確認しておきましょう。コーヒーや紅茶を日常的に楽しんでいるだけなら心配はありません。
【出典】『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石雅之 著