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※ 視聴回数は1日1回更新されます。クレプトマニア(窃盗症)は、物を盗みたいという衝動・欲求をコントロールできなくなる病気です。商品が欲しいのではなく盗む行為に依存しているので、食料品から飲み物、日用品、化粧品、本、雑貨、衣類、お酒まで何でも盗ります。また、盗った物は、捨てたり隠したり、人にあげることもあります。買い物をするつもりで入店しても、何かに突き動かされるように万引きして、成功すると高揚感や達成感に満たされます。ただし、犯行後は捕まるかもしれないという不安や、盗みをやめられないことへの自己嫌悪にさいなまれます。合併症としては過食症や買い物依存症が多く、高齢の場合は認知症が疑われるケースもあります。
大石クリニックの2022年の新規患者数は、女性50人、男性40人。本人の経済力や社会的地位とは無関係で、世代による偏りがあまり見られない女性に比べて、男性は働き盛りの年齢に比較的多く見られます。
背景に貧困問題がある場合は窃盗を繰り返していてもクレプトマニアとは限りません。治療の必要な疾患という社会認識が足りず、専門的に診断・治療できる医療機関は限られているのが現状です。
【出典】『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石雅之 著