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※ 視聴回数は1日1回更新されます。冠婚葬祭や歓迎会・送別会、普段の食事で楽しむ機会も多いお酒。心身のリラックスをもたらし楽しい気分にしてくれますが、飲み方を間違えると誰でもアルコール依存症になるリスクがあります。といっても、「多量に飲む」「朝から飲む」などといっただけで依存症というわけではありません。
お酒を飲むと楽しくなるのは、アルコールが脳の報酬系に作用して快楽物質のドーパミンを放出するから。習慣的に飲酒しているとお酒への耐性ができ、快楽を得るために飲む量が増え、度数の強いお酒を求めるようになります。さらに飲酒が原因で遅刻や欠勤を繰り返し、お金がなくてもツケで飲むなど、家族や周りに迷惑をかけても、もはや自分ではやめることができません。こうなると依存症です。患者の多くは中年男性ですが、近年は女性や高齢者も増えています。きっかけは様々で、仕事やストレスの解消、入眠を目的とする習慣的な飲酒などが挙げられます。また、安価なストロング系チューハイも、口当たりのよさとは裏腹にアルコール度数が高く、若者や女性が比較的短期間で依存症に陥る要因になっています。
日本のアルコール依存症の生涯経験者数は約100万人と推計されていますが、治療を受けているのはたったの5万人程。多くの人はアルコール依存症の自覚がなく、また自覚があったとしても専門家の治療を受けていないのが現実です。
【出典】『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石雅之 著