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※ 視聴回数は1日1回更新されます。欧米で活躍する日本人ピアニストの男性。実は神経の病気にかかり、指が思うように動かない。ピアノが弾けず、絶望のふちに陥った男性を救ったのは子どもたちの笑顔だった。
7本の指で奏でるピアニスト西川悟平さん。アメリカやヨーロッパで活躍している。演奏中、左手の指は2本しか動かない。
西川さん「自分の命を終わらせようと思ったことがあるんですね、一回」
ピアニストとしてニューヨークで成功を収めつつあった24歳の時、ピアノを弾く際、筋肉が硬直してしまうジストニアという神経障害に。医師には“一生ピアノが弾けない”とまで宣告された。
西川さん「弾こうとすると、こう曲がっちゃう病気で、こうなってたんです。右の2本と左の3本が」
絶望のふちから救ったのは子どもたちだった。音楽教室でピアノを教えてほしいという依頼があった。
西川さん「こうやって3本指でも、2本指でもピアノが弾けるってことを子どもたちが教えてくれたんです。それまでカチッと5本指で弾けないっていう自分がつらかったんですが、3本指と2本指があれば少なくとも子どもは喜んでくれたんです」
このことがきっかけで、西川さんは使える指で演奏を続けようと決意し、指に1音1音覚えさせる練習から始めた。
西川さん「1、2、3、4、すごく辛抱がいるんですけど、これをやっていくと筋肉が形状記憶をすることができまして、10年近くかかったんですけど」
今では7本、体調の良い日は8本の指で演奏出来るまでに回復した西川さん。
この日は小学校でのコンサート。演奏するとき、子どもたちに伝えたいことがあるという。
西川さん「僕も出来ない、出来ない、出来ないを言われてきた人生なんです。子どもたちに無理っていう言葉を言いたくないんです。頭の中になりたい自分をイメージして、そしてコツコツと努力を続けていくことで失敗する日もたくさんあるでしょうが、最終的には何とかそこにたどり着くことが多いと思うんですね」