国宝にもさわれる!「クローン文化財」とは

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日テレNEWS24

日本の国宝など文化財の姿・形を忠実に再現した「クローン文化財」という技術がある。見るだけでなく、触ることもできる「クローン文化財」。公開することで文化の共有にもつながっている。
門外不出といわれ法隆寺以外では見ることのできない国宝の釈迦三尊像の複製だ。東京芸大が3Dスキャンで読み取った実物のデータをもとに鋳型の原型を制作。本物と同じ素材や顔料を用いて職人たちが、手作業で細かな色味や亀裂、欠損までを再現する。最新のデジタル技術と伝統的なアナログ技が融合して実現した文化財のクローン。見るだけではなく触れることもできるのが特徴だ。
また戦争や災害で失われた文化財を同様の技術で再現している。2001年にタリバンに爆破されたアフガニスタン・バーミヤン東大仏の天井壁画。爆破前に撮影された約1万5000枚の写真をもとに制作した。
東京芸術大学・宮廻正明名誉教授「文化財の最高の保存は見せないでしまっておくこと。公開の最高のメリットは文化を共有することができる。今までは保存と公開の両立は不可能だったが、我々は同一素材、同寸で作ることによって保存をしながら公開することができる」
他に絵の具のふくらみも再現したゴッホの「自画像」やマネの「笛を吹く少年」は油彩画だけでなく立体的な再現も成功した。
今後はクローン制作で培った複製技術を海外にも伝え、それぞれの国が自国の文化財を次世代に継承していけるようになることを望んでいる。