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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 知力、身体能力、性格など、ある人が備えているさまざまな形質に「遺伝」と「環境」はどのくらい影響しているのか―
これを明らかにしようというのが「行動遺伝学」です。その中心的手法となっているのが、一卵性双生児と二卵性双生児を比較する「双生児法」で、膨大なふたごのデータをもとに遺伝と環境の影響を調べる研究が行われています。
そんな行動遺伝学を知るうえで、まずおさえておきたいのが、環境には「共有環境」と「非共有環境」というふたつがあるということです。共有環境は家族のメンバーを「似させようとする環境」、非共有環境は「異ならせようとする環境」のことをいいます。では、家庭での習慣や子育てなどが共有環境、地域や学校など家庭外のことが非共有環境かというと、必ずしもそうではありません。確かに、家でのしつけは共有環境としてはたらくことが多いですが、同じしつけでも個人によって影響は異なり、非共有環境としてはたらくこともあります。何が共有環境で何が非共有環境か、簡単に分類できるものではなく、あくまで抽象的で概念的なものなのです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』
監修/安藤寿康