日焼けは紫外線からDNAを守る防衛機能【眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話】

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 その昔、小麦色に日焼けした肌はアクティブさの象徴であり、それだけでカッコイイ、健康的ともてはやされた時代もありました。しかし、最近は「日焼けなんてもってのほか」と考える人も多く、日傘や日焼け止めは女性にとって外出時のマストアイテム。最近は男性でも使う人が増えているといいます。日焼けを忌避し、白い肌を美徳とする日本独自の風潮はまだこの先も続きそうですが、本当に日焼けは人間に害しか及ぼさないのでしょうか?
 日焼けはじつは人体にとっては重要な防衛機能のひとつです。日光に含まれる紫外線は肌の細胞を傷つけ、その奥にあるDNAにもダメージを与える有害なものです。その紫外線を吸収し、バリアの役割を果たすのが色素細胞のつくり出すメラニン。肌が紫外線の刺激に反応し、メラニンが生成されて肌が浅黒く変化するのは、正しく防衛機能がはたらいている証なのです。しかし、メラニンの防衛機能も完璧なものではありません。
繰り返し紫外線を浴び続けることで将来それがシミやシワの原因になったり、損傷したDNAが修復に失敗して皮膚がんに変異したりとトラブルの原因となることもあるのです。日焼けをする、しないはあくまで個人の自由ですが、どちらも過度にやりすぎるのは肌にとっては考えものかもしれません。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』
監修/安藤寿康