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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 「まだ30代なのに最近ちょっと髪が薄くなってきた」「父親がハゲているから自分にも遺伝するのでは?」。若い世代でこうした頭髪の不安を抱えている男性は意外に多いと聞きます。実際、30~40代でAGA(男性型脱毛症)の相談で医療機関を訪れる人は年々増えているそうです。しかし本当に父親のハゲや薄毛が息子に遺伝する可能性はあるのでしょうか?
じつは薄毛に関連する遺伝子には「母親のX染色体を通じて息子へ遺伝する」という法則性があります。左ページの図のとおり父親、あるいは父方の祖父が薄毛であっても息子に受け継がれるのはY遺伝子であるため、基本的には薄毛が遺伝することはありません。一方、母方の近親者に薄毛の人がいる場合、母親から息子へ受け継がれるX染色体によって薄毛が遺伝する可能性があるのです。具体的には母方の祖父が薄毛の場合は75%、母方の祖父、曽祖父がともに薄毛だと90%と非常に高くなっています。
では、父親の薄毛は息子に無関係かというと、これも一概にそうとはいえません。さまざまな要素のひとつとして薄毛が受け継がれている可能性はあると考えるべきでしょう。あまり気にしすぎるのもよくないですが、どうしても心配という方は一度専門医を訪ねて相談してみるのもいいかもしれません。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』
監修/安藤寿康