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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 「遺伝子組み換え作物」とは、ある作物のDNAに他の生物のDNAを組み込んでつくられた「新しい性質を持つ作物」のことです。「染色体の組み換え」とはまったく違うものなので間違えないでください。
この技術の利点は、同じ品種同士を掛け合わせる従来の品種改良よりも、効率よく有用な形質をもたせられることです。
たとえば、おいしいトマトに病気に強くなる遺伝子を組み込むと、味がよくて病気に強いトマトができるわけです。
青いバラも遺伝子組み換えによって作られたものです。青いバラは自然界に存在しておらず、青いパンジーの持つ青の色素をつくる遺伝子をバラの遺伝子に組み込むことで生み出されました。
このように、遺伝子組み換えは別種の生物の遺伝子を組み込むことも可能で、害虫を殺す性質や農薬への耐性を持つもの、収穫量が増えるもの、栄養素がより豊富なものなど、さまざまな性質を持つ作物が実用化されています。
一方で、遺伝子組み換え作物には人体や環境への影響を心配する声も根強くあります。
そのため、日本では国際的な基準にもとづいて安全性が厳格に審査されており、大豆、トウモロコシ、ナタネなどの食品9作物と、これらを原料としている豆腐、ポテトスナックなど33品目の加工食品の販売・流通のみが認められています。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』
監修/安藤寿康