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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 人は睡眠不足がつづくと、イライラして怒りっぽくなってしまいます。
20代の健康な若者を対象に、「8時間睡眠を5日間つづけたあと」と、「4時間睡眠を5日間つづけたあと」で、さまざまな表情の人の画像を見せて脳活動の様子を調べました。すると、睡眠時間が短いと、恐怖や怒りなど不快な表情を見たときに、気分を悪くしたり、不安になったりしやすいことがわかりました。
脳には、感情が暴走しないようにブレーキをかける、前帯状皮質と扁桃体があります。しかし、睡眠不足の状態では、それらのブレーキがかかりにくくなることが明らかになったのです。
周囲の人のちょっとした言動がやたらと気に障ってイライラしてしまうときは、睡眠が足りていないからかもしれません。たった2日間程度の睡眠不足でも、ブレーキがかかりにくくなる変化がみられたとの報告もあります。
また、ノルウェー科学技術大学の研究報告(2020年)によると、睡眠を減らすと、翌朝のポジティブな気持ちが減少してしまうこともわかりました。ポジティブな感情が失われることは、うつ病など多くの心の健康にもかかわります。質のよい睡眠は、イライラを抱えこませず、気持ちを前向きにさせてくれる、よりよい生活に欠かせない存在なのです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』
監修/西野精治