スキージャンプ・原田雅彦、長野冬季五輪テストジャンパー西方仁也に感謝

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長野冬季五輪でスキージャンプのテストジャンパーを務めた西方仁也氏、同五輪で金メダルを獲得した原田雅彦氏が5日、都内で行われた映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(5月7日公開)の完成披露イベントに参加。23年後しに“金メダル”が贈られ、感慨を語った。
 同作は1998年、長野冬季五輪のラージヒル団体で日本初の金メダルを獲得した岡部孝信、斎藤浩哉、原田雅彦、船木和喜の4選手を裏で支えたテストジャンパーにスポットを当てた実話を描いたもの。主演の田中圭が、94年リレハンメル大会のスキージャンプ団体で日本代表をけん引するも銀メダルに終わり、長野五輪では代表落選を味わった西方仁也氏を演じる。
 西方氏は「私の役が田中圭さんと聞いて、びっくりしました」と振り返りながら「私の心の内を正確に細かく演じていただいた。私がどう感じていたのか、言葉となって映像となって、皆さんにお伝えできる点では本当に感謝しています」としみじみ。そして「この映画をたくさんの子どもたちに見ていただいて、その子どもたちが『将来、オリンピック選手になりたい』と言ってくれる映画になったら」と心境を明かした。
 長野五輪では西方氏のアンダーシャツ、葛西紀明氏のグローブでジャンプ台に上がった原田氏は「リレハンメル五輪は私の中で一生、忘れられないできごと。西方、葛西選手と一緒に飛ぼうという気持ちでシャツ、グローブを借りた。最終的には西方に逆に励まされる、助けられることになりました。もう20年以上、経つんですけど、本当にありがとう、と言いたい」と改めて感謝の思いを口にした。
 そして西方氏は「非常に複雑な長野五輪に参加しました。その中で、原田くんたちが金メダルを取ることができた。少しでも、そこに貢献できたことはうれしく思っています」と思いを吐露。「最終日にテストジャンパーたちが集まって集合写真を撮った。その時の、みんなの顔が『やったぞ』という顔。金メダルは、あの4人じゃなくて、みんなで支えて取ったという気持ちがあった。それが彼たちの誇りになっている」と感慨を語っていた。
 原田氏も「奇跡だと思うんです。我々が奇跡的にメダルを取ったということではなく。五輪を日本でやるのは、まずないこと。その時に現役選手でいられた。飛び方の歴史が変わるようなこともありました。岡部、斎藤、船木と子どものころから一緒にジャンプを飛ぶ仲間だったけど、その時から『長野で金メダルを取るんだな』という奇跡を感じますよね。金メダルを支えてくれた西方は同い年のライバル。子どものころから一緒に戦ってきた仲間。その選手が一箇所に集まった。その奇跡が我々に金メダルを撮らせてくれた」と語る。「みんなで取った金メダルと言える金メダル」と西方氏と気持ちを同じにしていた。
 そして、フォトセッションでは、原田氏が田中の胸に金メダルを掛けるサプライズが。田中は「このサプライズでグッと来ちゃいました。撮影の時も持たせていただいたんですが、何度見ても、何度触らせていただても重いですね」と絞り出すように話していた。
 舞台あいさつには、土屋太鳳、山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒(日向坂46)、飯塚健監督も参加した。