北朝鮮、娯楽番組から見えてくる“いま”

視聴回数3,804,686

※ 視聴回数は1日1回更新されます。
(c) Nippon News Network(NNN)

日テレNEWS24

北朝鮮の国営テレビで放送される娯楽番組に、国民は大笑い。その内容は―
兵士「止まれ!止まらなければ撃つ!」
人民「撃つ?軍隊が人民を撃つらしい」(観客から笑い)
兵士「口癖でつい…本当に申し訳ありません」
兵士が人民にやりこめられる様を俳優たちが、コミカルな言い回しや動きで演じています。
普段、日本で紹介されるのは、金正恩委員長の動静報道など、政治的な内容がほとんどですが、こんなコミカルな番組も放送されています。
あるグループ「どこからこんな粗暴な女が現れたんだ?」「そうよ!」
姉「何だと?私の旦那も死ぬ間際まで、私のことを粗暴な女などとは言っていませんわ。そうよね?」
妹「いいえ、2回ほどそんなことも言っておりましたわ」(観客から笑い)
オチが決まり、観客の笑いを誘います。
一方で、国内事情を反映していると思われるシーンがありました。建設事業に動員された軍隊に、人民があの手この手でお礼の物資を贈ろうとしますが、兵士たちは、迷惑はかけられないとそれを拒否します。
軍隊「これを全部持って、気持ちよくお帰りください」(観客から笑い)
物資が不足する経済的厳しさを背景にしているのでしょうか。他にも――
女性兵士「白頭の精気は満ち…♪」
兵士A「おい!これはダメだ!私が大国の客の前でこんな歌を披露して、彼らの機嫌をそこねてしまったら、もらえる物も、もらえなくなってしまう!」
兵士B「大国の人からもらわなくても、“自力更生”すれば良い暮らしができます」
兵士A「こいつは何バカなことを言うんだ」(観客から笑い)
“自力更生”とは、外国に頼らない経済発展を目指すこと。国際的な制裁が長期化することを見越してか、最近、盛んに叫ばれているスローガンです。
庶民の娯楽番組の中にも、北朝鮮が重視する言葉が登場していました。