うねうね動くウナギ型水中ロボット!ヤツメウナギを模した波打つ身体を持つ「AgnathaX」

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朝日新聞社

bouncy / バウンシー

近年、生物や植物など自然界の生物の優れたメカニズムやシステムを模倣し、私たちの生活に役立ついろいろな技術を生み出す「バイオミメティクス」に注目が高まっている。蚊のように刺されても痛くない注射針や、植物の実を模したマジックテープ等、耳にした事がある方もいるのではないだろうか。
今回紹介するAgnathaXは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)をはじめとする、日本、フランス、カナダの研究者らが、動物の運動を司る神経系のメカニズムを探るために開発した画期的な水泳ロボットだ。
波打つ身体を持った水泳ロボット
AgnathaXはヤツメウナギを模した、水泳ロボットだ。10個の身体パーツで構成された長くて波打つ身体は、本物のウナギのように左右に動く。身体パーツに搭載されているモーターがウナギの筋肉の役割を担う。また、側面部には圧力センサーを備えており、これが皮膚の役割を果たし、生物(ウナギ)に対する環境(水)の力を検出する役割を持っている。
研究による発見
研究者らは、生物で研究することが困難な、高度に相互接続されている中推計神経と末梢神経系のさまざまな構成要素をロボットを使用してシミュレート。複雑なダイナミクスの理解に役立てている。
このほど「AgnathaX」を用いて、中枢神経と末梢神経の両方が強力な運動の生成に寄与することを発見した。二つの神経系システムを連携させることで、身体パーツ間の通信を遮断したり、破壊された場合など、神経障害を起こしても高速で泳ぎ続けることが可能だった。これは、一部の脊椎動物が脊髄損傷後も運動能力を維持できる理由を説明する可能性がある。
また、皮膚にある圧力センサーは、身体と水との物理的相互作用及び、リズミカルな筋活動の生成と同期に役立つ信号を提供することもわかった。
これらの研究結果は、捜索救助や環境モニタリング向けロボットの開発にも役立てられる可能性が期待されている。また、神経科学の分野にも影響を及ぼすだろう。
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ウナギロボットの活躍を海で見かける将来も近いかも。