「太っている人は糖尿病になりやすい」、そう考えている人もいるかもしれませんが、実は日本で糖尿病を発症する人は欧米の患者ほど太ってはいません。虎の門病院が糖尿病を発症した人のデータを調べたところ、体格指数を示す「BMI(体重÷身長÷身長)は平均24.4 という結果になりました。日本で肥満とされるのはBMI25 以上です。* つまり、日本人は太っていなくても糖尿病を発症することのほうが多いのです。
欧米人はインスリンの分泌能力が高く、糖質の高い食事を摂ればインスリンが大量に分泌され、どんどん脂肪細胞へ糖を取り込みます。肥満の患者が多いのはそのためです。
一方、日本人はインスリンの分泌能力が低いため、すぐに分泌が追いつかなくなり、脂肪細胞に取り込まれない分の糖が血液中にあふれ高血糖を引き起こしてしまうのです。太っていないから大丈夫などと油断せず、糖質の摂り過ぎには気を付けたいものです。
*J Diabetes Investing 2015; 6(3):289-294
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
山田 悟 (著)